花粉症の注射薬

この注射は花粉症などによるアレルギー症状向けの注射治療です。

この花粉症注射はステロイドを一切使用しておらず、ヒスタグロビンを用いてアレルギー症状の緩和・軽快を促します。

アレルギー症状が出始める約1か月前から治療を開始することをおすすめしております。

ヒスタグロビンの薬理作用

①炎症局所への好酸球浸潤抑制作用

②ヒスタミン遊離抑制作用

③ヒスタミン防御作用

ヒスタグロビン 皮下注射薬

ヒスタグロビン注射は「非特異的減感作療法」と呼ばれています。

これは特定のアレルギー原因物質に対して感受性を低下させる「特異的減感作療法」とは異なり、全てのアレルギー物質に対して効果のある治療です。そのため、スギ花粉以外が原因の人にも効果を発揮する治療です。(ヒスタグロビンは1967年から発売されている非常に歴史のある注射薬です)ヒスタグロビンは、ヒスタミンと免疫グロブリンを合わせたお薬なのでヒスタ+グロビンといい、ヒスタミンの働きを抑える作用があります。

複数のアレルギー物質がある人では、ヒスタグロビンでアレルギー反応を抑えることは効果的です。


●当院ではアレルギー諸症状の鎮静化に効果的なノイロトロピン注射も併せて行っていますので、ヒスタグロビン注射ノイロトロピン注射との相乗効果が期待できます。(効果には個人差があります)
●治療法は週に1~2回 計6回を1クールとして注射を行います。

費用

ヒスタグロビン注射 + ノイロトロピン注射
1回:3,800円(税込)
※未成年者の施術には親の同意書(一筆でも可)が必要です。

ヒスタグロビン注射の適応は?

アレルギー性鼻炎・アレルギー性皮膚疾患になります。

ヒスタグロビン注射は、ヒスタミンの抗体を体に入れてヒスタミンが関与する病気の悪化を防ぐお薬です。

花粉症はヒスタミンが鼻や目に作用して、鼻水や目のかゆみが出現します。

ヒスタミンが花粉症で大量に出てくると、ヒスタグロビンがヒスタミンにくっついて働きを阻害することで症状を止めます。

このような方はぜひご検討ください

  • 症状が抗ヒスタミン薬など内服薬のみではコントロールできない方
  • 花粉症の症状がきつい中等度以上の方
  • 抗ヒスタミン薬の眠気などの副作用で、普段の生活に支障をおよぼしている方
  • アレルギーの症状を何とか改善したい方

投与期間は?

週に1回か2回ヒスタグロビン注射を皮下注射します。これを3週間繰り返します。

通常1回の注射を、成人では週1~2回で計3週間を行います。これを1クールとするので、3週間の間に3~6回投与します。

十分な効果のあらわれない場合には、更に1クールの注射を行います。

ヒスタグロビン注射が使えない方

  • 過去にヒスタグロビン注射を打ってショックの既往歴がある方
  • 激しい喘息発作のある方
  • 月経前後・妊娠の可能性のある方
  • ※注意として、非経口生ワクチン(おたふくかぜ、風疹、麻疹、これらの混合ワクチン、水痘ワクチン)は、接種の効果を得られないことがあるので、接種から3か月以上間隔をあけてください。
  • ※その他、疑問点などがあればお気軽にクリニックまでご相談ください。

ノイロトロピン注射 注意すべき副作用

そう痒、発疹、眠気、ほてり、ショック、アナフィラキシー様症状、脈拍異常、胸痛、呼吸困難、血圧低下

当院では花粉症のステロイド筋肉注射は行いません。

◇行わない理由

1シーズンにたった1回注射するだけで、花粉症が楽になるという注射があります。一番有名ものでは「ケナコルト」と言い、体内に長期間とどまるタイプのステロイド薬ですが極めて重大な副作用の恐れがあり、一度起きるとよい対処法がありません。体内に数か月とどまり、副作用も長期にわたります。

具体的におこりうる副作用は、

  • 感染症(カビや命に関わる感染症)や副腎機能不全(体がだるくなったり死ぬことがあります)
  • 皮下注射箇所の筋肉の萎縮・陥没(頻度が高い)
  • 糖尿病(起こる可能性が高い)
  • 胃潰瘍や十二指腸潰瘍
  • 高血圧
  • 肝機能障害
  • 緑内障(視力、視野障害)
  • 精神障害(うつ病)、全身倦怠感(リバウンド現象)
  • 骨粗鬆症(骨密度が低下する)
  • 生殖機能障害
  • 生理が止まってしまたり、逆に止まらなくなることがある(頻度が高い)
  • 満月様顔貌、顔面紅斑