ミノキシジルの副作用や効果は？外用薬や内用薬・初期脱毛やタブレットに関して解説！女性に効果は？効かない人はいる？

薄毛治療に内服薬や外用薬としても使用されるミノキシジルの副作用も気になるところです。そこでこの記事ではミノキシジルについて解説します。

ミノキシジルの効果と作用は？

AGAの治療薬として用いられるミノキシジルには、血管を拡張させる作用があり、頭皮への血行を促進することで発毛を促す効果が期待されます。

ミノキシジルの効果

画像引用：東京AGAクリニック

ミノキシジルには主に以下の2つの効果があります。

• 発毛効果
• 育毛・脱毛抑制効果

ミノキシジルには発毛や育毛を促す効果があり、頭皮の直接塗布することで薄毛に対して高い効果が発揮されることが認められています。

ミノキシジルを塗布することで、血管を拡張する作用や毛母細胞を刺激し、細胞分裂が活発になります。この効果によりヘアサイクルが正常になるため、発毛や育毛の促進効果が期待できます。

参照：pubmed「Topical minoxidil: Systematic review and meta-analysis of its efficacy in androgenetic alopecia」

ミノキシジルの作用機序

薄毛などに対するミノキシジルの効果は、主に以下の薬理作用から期待できるものです。

• 血管拡張
• 毛乳頭細胞の刺激
• 毛母細胞の死滅を抑制

ミノキシジルは毛細血管を拡張することで血流の流れを良くします。血流の流れが良くなることで、髪の成長に必要な栄養や酸素が届きやすくなるため、太くて強い髪を作る効果が期待されます。

また、ミノキシジルは血流の促進による二次的な効果のみではなく、毛細胞への直接的な作用もあります。具体的には、毛乳頭細胞を増殖させる作用と毛母細胞の死滅（アポトーシス）を抑制する働きが発毛や育毛を促進する要因として知られています。

毛乳頭細胞の増殖により発毛は促進され、毛母細胞の死滅抑制によりヘアサイクルが正常化し、育毛および脱毛抑制の効果が期待できます。

参考：日薬理誌

ミノキシジルとは？
「AGA治療に用いられる外用薬や内服薬」

ミノキシジルは血管拡張作用があるため、高血圧患者に対する治療薬として用いられていました。

ミノキシジルの臨床実験中に多毛症の副作用がみられたため、再度発毛剤として研究がすすめられ、現在ではAGA（男性型脱毛症）の治療薬として使用されています。

参考：厚生労働省

ミノキシジルの副作用

発毛や育毛効果が期待できるミノキシジルですが、副作用が発生する可能性があります。

ミノキシジルの副作用は以下の通りです。

• 初期脱毛
• 皮膚トラブル
• 頭痛やめまい
• 浮腫や肝機能障害

順番に見ていきましょう。

【ミノキシジル 副作用】
初期脱毛

ミノキシジルの副作用の一つとして初期脱毛が挙げられます。AGA治療を行う際に多くの人に見られる副作用で、治療開始2~8週間で起きる可能性があります。

ミノキシジルの使用を開始するとヘアサイクルが休止期から成長期に移行します。成長期への移行に伴い、古い髪の毛が新しい髪の毛によって押し出されることが初期脱毛の原因です。

初期脱毛が起きることで、ミノキシジル使用開始直後は抜け毛が増えて薄毛が進行したように感じますが、発毛・育毛に向けてミノキシジルが正常に作用することで初期脱毛は生じます。

この段階でミノキシジルの使用・服用をやめてしまうと治療効果が得られないため、初期脱毛がみられても治療を継続することが重要です。

【ミノキシジル 副作用】
皮膚トラブル

ミノキシジルの外用薬を用いると、搔痒感（そうようかん）、発赤（ほっせき）、落屑（らくせつ）、毛包炎、接触性皮膚炎などの皮膚トラブルが生じる可能性があります。これらの副作用は、ミノキシジルの濃度が1%、3％、5％と濃くなるほど発症率が高くなります。

ミノキシジルを塗布したことで皮膚が刺激されて発症するため、肌に合わないと感じた方は医師と相談し、濃度の調整や他の治療法を検討しましょう。

【ミノキシジル 副作用】
頭痛やめまい

ミノキシジルの血管拡張作用により、毛細血管が拡張することで頭痛やめまいを引き起こす可能性があります。

末端への血流量が増加することで中枢部の血流量が低下し、低血圧状態に陥ることで頭痛やめまいが生じます。

他にも、胸部痛や息切れなども血圧の低下による症状として生じる可能性があるものです。

頭痛やめまい、胸部痛などの症状が現れた場合には必ず医師に相談しましょう。

【ミノキシジル 副作用】
浮腫や肝機能障害

ミノキシジルを内服すると、浮腫や肝機能障害が発生する可能性があります。

ミノキシジルの服用により末梢血管が拡張されることで、中枢の血流量が低下します。中枢の血流量が低下すると身体のセンサーは血液が足りないと考え、血液を増やすように働きかけます。その結果、体内の血液量が過剰となり、むくみが発生することがあります。

また、ミノキシジルの内服薬は肝臓で代謝されるため、肝臓に負担がかかります。肝機能障害による自覚症状はほとんどありませんが、定期的な血液検査によって副作用が発生していないか確認することが重要です。

ミノキシジルの効果が出るまでの期間

▼ミノキシジルの効果が出るまでのイメージ

ミノキシジルはヘアサイクルを正常化させることで、毛乳頭細胞に栄養が行き届くように作用します。

ヘアサイクルの乱れを整えるためには6ヵ月（半年）が目安と必要になるため、継続して使い続けることが重要です。

※そもそも即効性がないという理由は、ヘアサイクルが正常になるまで時間がかかってしまいます。AGAになってしまうとヘアサイクルが極端に短くなってしまうため、ミノキシジルで時間をかけて戻していきます。

参考：日本皮膚科学会ガイドライン2017年版

ミノキシジルの使い方
「外用薬と内服薬」

参照：日本皮膚学会 ガイドライン2017

ミノキシジルの内服薬・タブレット

ミノキシジル内服薬の特徴は以下の3つです。

• 頭皮を含む全身に作用
• 国内では認証されていない
• 毎日1回服用

内服薬は外用薬と異なり、体内の血中から作用するため外用薬よりも高い発毛効果が期待できます。

効果は全身に及び発毛効果も期待できますが、国内において臨床試験が行われておらず、危険度の把握が行えていないため、薄毛治療として推奨されていません。

基本的にはクリニックで医師から処方され、毎日1回の服用になります。

参照：AGAヘアクリニック

ミノキシジルの外用薬・塗り薬

ミノキシジル外用薬の特徴は以下の3つです。

• 塗布した部位に作用
• 推奨殿高い治療法
• 毎日2回塗布

ミノキシジルの外用薬は塗布した部位に効果を発揮します。外用薬は日本皮膚学会のガイドラインでも推奨度の高い治療法です。

クリニックなどで医師から処方してもらった用法・用量で毎日2回塗布します。市販薬でもミノキシジルが含まれている外用薬やシャンプーが販売されていますが、濃度が薄く効果も期待できないため、医療機関で処方してもらうことがおすすめです。

参照：AGAヘアクリニック

ミノキシジルの効果を高めるには？

ミノキシジルの効果を高めるには以下の方法が推奨されます。

• 注入療法を受ける
• フィナステリドと併用する
• 正しい用法・用量を守る
• 生活習慣を改善する

順番に見ていきましょう。

注入療法を受ける

ミノキシジルの効果を高めるにはミノキシジルの注入療法がおすすめです。注入療法ではミノキシジルの他にも様々な成長因子を含んだ薬品を注入します。

患部に直接ミノキシジルを注入するため、経皮の外用薬よりも体内への浸透が早く、内服薬よりも局所的に作用します。そのため、薄毛治療を促進させるためにおすすめの治療法です。

フィナステリドと併用する

ミノキシジルの効果を高める方法として、フィナステリドとの併用が挙げられます。

発毛を主な目的とするミノキシジルに対して、フィナステリドは維持や抜け毛の予防を目的とした治療薬です。

フィナステリドは多くのクリニックでミノキシジルと一緒に処方されますが、男性ホルモンに作用する薬剤のため、女性は服用できない点には注意が必要です。

正しい用法・用量を守る

ミノキシジルは多く服用すればしただけ効果が出るものではありません。

用法・用量を無視した使い方は、皮膚トラブルや副作用を引き起こし、炎症などで逆に薄毛を進行させることに繋がります。

飲む・塗るタイミングや量、期間などは医師の指示を仰ぎ、治療の経過に応じて相談しましょう。

生活習慣を改善する

薄毛の原因は頭皮の血行不良が大きな要因のひとつとされています。

ミノキシジルは血行を促進することで髪が生えやすい頭皮環境を目指す治療法ですが、生活習慣の乱れなど、根本的に改善しなければいけないことがあります。

不規則な睡眠時間や乱れた食生活、過度なストレスなどは血行の悪化による薄毛を招くと言われています。

ミノキシジルの効果を高めるには根本原因である生活習慣の改善も合わせて行いましょう。

参考：pubmed「 Quantitative estimation of hair growth I. Androgenetic alopecia in women: effect of minoxidil」

ミノキシジルとフィナステリドの違い

フィナステリドはテストステロンに対して作用する治療薬です。

本来、発毛力を強化するためのテストステロン（男性ホルモン）が「5aリグターゼ」という酵素と結びついてしまうと、「ジヒドロテストステロン（DHT）」と呼ばれる悪玉男性ホルモンに変換されてしまい、発毛力を弱体化させる作用をもたらしてしまいます。

フィナステリドはテストステロンがDHTに変わってしまう「5aリグターゼ」の働きを防止する阻害剤です。

発毛の促進や育毛に寄与するミノキシジルとは異なり、脱毛の抑制が主な薬理作用となります。

参考：日本皮膚学会 ガイドライン

ミノキシジルの適応
子供・女性にも効く？

参考：pubmed「Interventions for female pattern hair loss」

ミノキシジル市販薬
クリニック処方どちらが良い？

ミノキシジルのよくある質問

ミノキシジル入りシャンプーは効果ある？

配合量が少ないため効果は限定的です。高濃度のものは医師のいるクリニックでしか処方できないため、専門のクリニックを受診しましょう。

ミノキシジルを途中でやめるとどうなる？

発毛効果が止まり、元の状態に戻ります。継続的な使用でヘアサイクルを正常な状態に戻し、根本となる生活習慣の改善を行うことが重要です。

ミノキシジルは効かない人もいる？

効果を実感できない人もいます。薄毛の原因はさまざまであり、ミノキシジルが効果を示すのは毛乳頭細胞の栄養不足により生じたAGAです。炎症後の脱毛や円形脱毛症など、原因が異なる脱毛には効果を示さない可能性があります。

ミノキシジルは何％がおすすめ？

5％以上がおすすめです。2％よりも5％の方が効果がありますが、5％と10％では増加する毛量の差は微々たるものであることが研究結果として出ています。

参考：pubmed

怪我後の脱毛にミノキシジルは効く？

怪我による脱毛はミノキシジルの適応ではありません。植毛術など、医師の診断に基づく別の治療が必要です。

ミノキシジルは保険適応になる？

ミノキシジルは保険適応にはなりません。薄毛治療や発毛に関する治療はすべて自費診療となります。

ミノキシジルが処方される
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