膝に水が溜まる理由と考えられる原因とは?初期症状のチェック方法や対処法も解説!

「膝に水が溜まる理由は?」
「膝に水が溜まった場合に考えられる原因は?」

そんな悩みを持つ方に向けて、膝に水が溜まる理由や原因をはじめ、膝に水が溜まった場合に考えられる病気も紹介していきます。

この記事のもくじ

膝に水が溜まるとは
どんな異常が起こった状態?

膝に水が溜まっている状態は、関節液の量が異常に増えている状態を指します。

また、関節液が異常に増えているケースでは、関節液の量を調節する滑膜が正常に働いていないケースも考えられます。

  • 関節液の量が異常に増えた状態
  • 関節液の量を調節する滑膜が正常に働かなくなった状態

関節液の量が異常に増えた状態

膝に水が溜まっている状態は関節液の量が異常に増えている状態で、「膝に水が溜まる」の水は関節液という液体を指します。

関節液は関節がスムーズに動かせるようにサポートする潤滑油のような役割を担っており、関節液が分泌されること自体はまったく問題ありません。

ただ、何らかの炎症や損傷により関節液が過剰に分泌されると、膝に水が溜まった状態になり関節液本来の機能さえも失われてしまいます。

画像引用:ひざ関節症クリニック

関節液の量を調節する滑膜が正常に働かない状態

関節液の量が異常に分泌されている場合、滑膜が正常に働いていなかったり炎症している状態である可能性も考えられます。

関節内にある滑膜は関節液の量を調節する役割を担っているため、関節液が過剰に分泌された場合は滑膜に炎症が起きていることも考えらえます。

滑膜に炎症が起きている間は関節液が溜まり続ける一方で、炎症が静まると自然と少なくなる傾向にあります。滑膜に炎症が起きる原因には、大きな損傷から日々の動作によるダメージの蓄積まであるので要注意です。

参考:新潟市医師会

膝に水が溜まる理由や原因とは?
考えられる病気も解説

膝に水が溜まる理由や原因には変形性膝関節症や関節リウマチ、痛風、半月板損傷などがあります。

ちょっとした痛みや違和感などしかなくても病気である可能性も少なくないので、チェックしてみてください。

参考:久富整形外科クリニック

  1. 中高年の原因疾患として多いのは変形性膝関節症
  2. 関節リウマチ・痛風
  3. 若い方でも多い半月板損傷や靱帯の損傷

①中高年の原因疾患として多いのは変形性膝関節症

膝に水が溜まる原因として多いのが変形性膝関節症で、特に40代以上の中高年に多く見られる傾向にあります。

変形性膝関節症は膝関節内にある軟骨のすり減りを原因とした疾患で、初期症状としては歩きはじめや立ち上がりなどの際に違和感を覚えるといったケースです。

加齢や激しい運動、膝に負担がかかる動作のくり返しなどにより、欠けた軟骨が滑膜を刺激し炎症を引き起こします。また、自然治癒やセルフケアでは改善しにくいため、できるだけ早めに医師に相談するといいでしょう。

参考:日本整形外科学会 東京リウマチクリニック

②関節リウマチ

膝に水が溜まる理由として考えられるのは関節リウマチで、初期症状では気づきにくいところがあるので要注意です。

関節リウマチは免疫の異常により関節に炎症が起きる疾患で、痛風は尿酸が体内に溜まり赤く腫れ上がる疾患で、どちらも膝に水が溜まる原因にもなります。できるだけ早めに医師に相談しましょう。

参考:東京リウマチクリニック

③若い方でもある半月板損傷や靱帯の損傷

10~20代の若い人にも起こり得るのが半月板損傷や靭帯の損傷で、主な原因はスポーツや交通事故、激しい運動などです。

半月板は大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)にある「C」の形をした軟骨で、それが損傷すると膝が動かなくなるロッキング状態になるケースも。靭帯は骨同士を結んで膝の安定性をサポートする部位で、特にラグビーやサッカーなどのスポーツで損傷しやすい傾向にあります。

半月板や靭帯の損傷は自然治癒では治りにくいため、早めに医師に相談しましょう。

参考:リペアセルクリニック 諸岡整形外科病院

膝に水が溜まるとどんな症状から始まる?
初期症状のチェック方法

膝に水が溜まると「膝全体が腫れぼったい感じがする」「膝の曲げ伸ばしがしづらい」などといった症状が始まります。

また初期症状をチェックする方法が用意されており、自分でも膝に水が溜まっているかが分かるので要チェックです。

  1. 膝全体が腫れぼったい感じがする
  2. 膝が重苦しくだるいような違和感
  3. 膝が突っ張ったような感じ・曲げ伸ばしがしづらい
  4. 初期症状のチェック方法

①膝全体が腫れぼったい感じがする

膝に水が溜まると膝全体が腫れぼったい感じがするのが特徴で、膝が腫れている感じる場合には注意が必要です。

ただ単に腫れるだけでなく痛みを伴うケースや、人によっては腫れとともに熱を感じるケースもあります。

膝が腫れている場合は水が溜まっていなくても、何らかの炎症が起きている可能性があるので、できるだけ早めに対処したほうがいいでしょう。

②膝が重苦しくだるいような違和感

膝に水が溜まった場合の初期症状として、膝が重苦しくだるいような違和感を覚えるケースも挙げられます。

特に激しい運動をした、長時間立ちっぱなしだったなどといった心当たりもないのにだるい場合には要注意で、膝に水が溜まってしまっている可能性を考えるといいでしょう。

膝に水が溜まると膝関節を覆う関節包が引き伸ばされることにより重く感じやすく、人によっては異物が入っているかのような違和感を覚えるケースもあります。

③膝が突っ張ったような感じ・曲げ伸ばしがしづらい

膝が突っ張ったような感じを覚えたり、膝の曲げ伸ばしがしづらかったりする場合も、膝に水が溜まっている可能性が考えられます。

特に膝を曲げたり伸ばしたりする際に違和感を覚える場合は、何らかの炎症が起きている可能性があるので要注意です。

膝に水が溜まった場合は関節が滑らかに動くようにするための組織が正常に働かず、膝の正しい動きが制御されてしまう傾向にあります

④初期症状のチェック方法

膝に水が溜まっているかが分からない人は、セルフでチェックできる方法を試してみましょう

また数分で自宅でもできるため、特に初期症状がある場合はチェックしてみるといいでしょう。

膝に水が溜まっているかをチェックする方法は膝を伸ばして床に座ったうえで、片方の手で膝の少し上を掴みながら膝の皿に向かって押し、もう片方の手で膝の皿を上から軽く押します

その際に膝の皿が浮いているような異物感がある場合は、膝に水が溜まっている可能性があるので注意するといいでしょう。

参考、画像引用:ひざ関節症クリニック

膝に水が溜まった時の
ストレッチ3選

膝に水が溜まった時にできるストレッチには、膝の屈伸運動やパテラセッティングなどがあります。

継続的に行うことにより、膝の痛みや違和感などの緩和を促すことができるので隙間時間などに試してみてください。

  1. 膝の屈伸運動
  2. 可視挙上運動
  3. パテラセッティング

①膝の屈伸運動

膝に水が溜まった時のストレッチとして膝の屈伸運動があり、足を少し開いた状態で膝を曲げたり伸ばしたりします。

屈伸運動を行う際は膝に手を当てると膝を曲げた時に横ブレしにくくなるほか、反動をつけて勢いで行うと膝へのダメージが大きくなるので、できるだけゆっくりとくり返すのがポイント。

膝の屈伸運動を行うことにより膝周りの筋肉を動かせるのに加え、人によっては筋力アップにもつながります。

②下肢挙上運動

膝に水が溜まっている場合は下肢挙上運動を行ってみるのもおすすめで、大腿四頭筋(太ももの筋肉)を動かすストレッチです。

仰向けで膝をまっすぐ伸ばした状態から片足の膝を伸ばしたまま上に上げる運動で、片足が終わったら反対側の足も同じように行っていきます。

人によっては腰に負担がかかりすぎてしまうため、体勢がつらい場合は片足の膝を曲げた状態で行うのがおすすめです。

③パテラセッティング

パテラセッティングは膝下を下に押し付けるような運動で、特に膝の前側にある筋肉を鍛えます。。

具体的には床に横になった状態で膝下にタオルやゴムボールなどを置き、それを床に向かって押し付けるといった運動で、お尻が浮かないようにするのが重要なポイント。

また膝周りの筋肉が硬くなっているかを確認しながら行うことも重要で、しっかりと行えていれば膝周りの筋力がアップする効果を期待できます。

膝に水が溜まった際に自然治癒や自分で治す方法はある?
セルフケアの注意点3選

膝に水が溜まっている場合は自然治癒では難しいため、医療機関を受診し、治療を受けましょう。

ただ、医療機関の受診前に症状を和らげたい場合は、応急処置として、温めたり冷やしたりすることで膝の痛みや違和感が緩和されるケースもあるのでチェックしてみてください。

  1. 変形性膝関節症の場合は温める
  2. 膝のケガで急性期であれば冷やす
  3. 慢性疾患の場合は温める

①変形性膝関節症の場合は温める

変形性膝関節症の疑いがある場合は、膝を温めると、膝の血行がよくなり筋肉がほぐれていきます

膝の筋肉がほぐれると痛みが緩和する効果を期待できるため、変形性膝関節症の可能性がある場合は入浴やタオルなどで温めるといいでしょう。

ただし変形性膝関節症の場合、膝を冷やす行為(アイシング)は逆効果になってしまう点には注意です。

参考:こうゆうクリニック

②膝のケガで急性期であれば冷やす

膝のケガで急性期であれば膝を冷やし、膝の痛みや腫れなどを抑えましょう。急性期とは、痛みが出てきた時期を指します。

膝を冷やすことにより血管を収縮させ内出血を減らすのに加え、痛みの感覚を一時的に麻痺させてくれます

逆に膝を温めると血行がよくなり内出血がより強まるほか、炎症成分が広がり痛みも激しくなってしまうので注意しましょう。

参考:大田市立病院

③慢性疾患の場合は温める

膝が慢性的に痛む場合は冷やすのではなく温め、変形性膝関節症と同様に痛みの緩和を促します。

しっかりと入浴し温めながら無理のない範囲で膝を動かすと、膝周りの血行がよりよくなり痛みを軽減する効果を期待できます

この場合に膝を冷やすと痛みが悪化してしまうリスクもあるため、慢性的に痛みがある場合は温めると知っておくといいでしょう。

参考:大田市立病院

膝の水を抜くとクセになるって本当?

「膝の水を抜くとクセになる」という声もありますが、膝の水を抜いてもクセにならないといわれています。

膝の水を抜いても滑膜に炎症が起こり続けている場合は再び関節液が膝に溜まってしまいますが、水を抜いたこと自体が溜まりのクセになっているわけではありません。

主に滑膜の炎症が治まらないことが優先的に解決しなくてはいけない問題で、いかに炎症を抑えるかが大切なポイントとなります。

膝の水を抜いても炎症が治まるわけではなく、あくまで痛みを和らげるために行っている点にも注意です。

参考:吉田病院

膝の痛みで受診したほうがよい目安

膝の痛みで受診したほうがよい目安として、歩行が困難なほどの痛みや強い腫れや熱感などが挙げられます。

その他にも痛みや腫れが長期間続いている、日常生活に支障があるといったケースもあります。慢性化、重症化する前にできるだけ早めの受診を検討しましょう。

  1. 歩くのが困難なほど強い痛みがある
  2. 腫れや熱感が強い
  3. 痛みや腫れは軽いが長期間続いている
  4. 日常生活に支障がある

①歩くのが困難なほど強い痛みがある

受診したほうがいい目安として、ただ歩くだけでも難しいほどに強い痛みがあるケースが挙げられます。

歩行困難はすでに日常生活に支障をきたしているレベルともいえ、膝の症状がかなり悪化している可能性も少なくありません

人によっては施術が必要になるケースも珍しくないため、できるだけ早めに医師に相談することをおすすめします。

②腫れや熱感が強い

膝の腫れや熱感が強い場合も受診したほうがいいレベルで、膝関節内で炎症が起きている可能性が考えられます。

また自然治癒やセルフケアでは改善が難しく、医師による治療が必要になるケースも少なくありません

膝の治療ではいつからどのように痛みが表れたかを詳しく伝えることが重要ですが、長く我慢すると曖昧になってしまう可能性がある点にも注意が必要です。

③痛みや腫れは軽いが長期間続いている

痛みや腫れは軽くても長期間続いている場合は、できるだけ早めに医師に相談しましょう。

一時的に症状が落ち着くと我慢してしまう人もいますが、再び痛みや違和感が出てきている場合はまだ炎症が続いている可能性があります。

改善するためにも受診が必要で、そのまま放置すると日常生活に支障が出てしまうケースもあるので注意しましょう。

④日常生活に支障がある

どこかに歩いたり座ったりする行為も含め、ちょっとした日常動作にも違和感がある場合は受診を検討しましょう。

今は我慢できるほどの痛みであっても、将来的には安静時でも強い痛みを感じるケースもあり、日常生活がより困難になるリスクも考えられます

あまりにもひどい場合だと手術が必要になってしまう可能性もあるので、膝の症状が深刻化する前に受診してください。

膝に水が溜まった際のよくある質問

膝に水が溜まった際によくある質問について紹介していきます。

病院に行く前に知っておいたほうがいいことも取り上げているので、チェックしてみてください。

膝に水が溜まる初期症状とは?

膝に水が溜まる初期症状には「膝全体が腫れぼったい」「膝が重苦しくだるいような違和感」などがあります。

その他にも「膝の突っ張り感」「膝の曲げ伸ばしがしにくい」などがあり、膝に水が溜まっている可能性が考えられる症状です。

初期症状の段階で医師に相談しておけば、膝が重症化した時よりも改善しやすいところもあるので、あまり我慢せずに診てもらうといいでしょう。

膝の水は自然に抜けますか?

膝の水は自然に抜けるケースもありますが、必ずしも自然に治まるわけではありません。

膝に炎症が続いている限り関節液が過剰に分泌され溜まり続けるため、しっかりと炎症を抑えることが大切なポイントとなります。

時間の経過とともに炎症が治まるケースも稀にありますが、放置せず受診することをおすすめします。

参考:横浜ひざ関節症クリニック

膝に水が溜まるとどうやって抜くの?

膝に水が溜まった場合は、膝に注射針を刺して関節液を抜いていきます注射後2~3日程度は運動やスポーツなどを控えたほうがよいといわれています。

ちなみに膝から水を抜く行為は一時的に痛みを抑えるための施術で、水を抜いたからといってすぐに炎症が治まるわけでない点にも注意です。

参考:はやしハリ灸整骨院

膝に溜まった水は放置するとどうなる?

膝に溜まった水を放置すると、膝の炎症が長引いてしまう可能性があります

膝に水が溜まりすぎた場合は痛みがより悪化してしまうリスクもあるため、そのまま放置するのはNGといえる行為です。

しっかりと膝の水を抜いたうえで炎症を抑える施術を行うことにより、根本的に改善を促すことができるので早めに医師に相談するといいでしょう。

参考:ひざ関節症クリニック

膝の水を抜くのは保険適用される?

クリニックにより異なりますが、膝の水を抜くのは保険が適用されることもあります

また変形性膝関節症のヒアルロン酸注射も保険適用となる場合もありますが、変形性膝関節症の再生医療は保険適用外なので注意するといいでしょう。

ただし料金が高額になった場合は高額療養費制度が適応されるケースもあり、所定の金額を超えた分は戻ってくるのでチェックしましょう。

保険適用の有無は医師が判断するため、まずは受診し医師に相談しましょう。

膝に水が溜まる|まとめ

膝に水が溜まる理由や原因には、変形性膝関節症や関節リウマチ・痛風、半月板損傷などがあります。

膝に痛みや違和感などがあったら症状が深刻化する前に受診し、医師に相談してみてください。

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