皮膚科専門医より、この夏のワンポイントアドバイス。
赤ちゃんのあせも
汗腺の数は大人と同じなのに、表面積が小さく、新陳代謝が活発な赤ちゃんはとても汗っかきです。
汗腺の出口が詰まり、汗が皮膚表面に出られず、汗管に溜まってしまい発症します。
特に汗をかきやすい部位、頭・おでこ・首のまわり・背中・わきの下などに出来やすくなります。
あせも対策で大切なのは、肌を清潔に保つ事と保湿です。汗をかいたらなるべく早めに拭き取ってあげてください。
汗をかいたあとの肌は傷つきやすいので、乾いた布でこすらずに、清潔な濡れタオルで軽く抑えるようにふき取ってください。
また汗をシャワーで洗い流すのも効果的です。
軽度の症状(小さな水泡状の白っぽいブツブツ)は、汗をこまめに拭くなど患部を清潔に保つことで自然消滅します。
赤ちゃんの肌は夏でもとても乾燥してますので、入浴後は乳液タイプのローションでしっかりと保湿しましょう。
あせも用の市販薬や、皮膚科受診後に薬を処方された場合は、保湿剤と薬は役割が異りますので、最初に保湿をしてから薬を使用するようにしましょう。
虫さされ
防対策として、野外活動の際には肌を露出しないことが重要です。
また、携帯用蚊取りや、防虫スプレ-などの忌避剤を用いることで、ある程度の防除は可能です。
なお、虫除け剤は、小児に対する使用上の注意点として、
■顔には使用しないこと
■生後6ヶ月未満の乳児には使用しないこと
■2歳未満の幼児では1日1回の使用にとどめること
■2歳以上12歳未満の小児では1日1~3回の使用にとどめること
などがありますので、必要に応じて適切に使ってください。
サンスクリーン(日焼け止め)について
日焼け止め(サンスクリーン)
皮膚に当たる紫外線をブロックすることによって、日焼けや皮膚の老化を予防します。
紫外線防止を目的とするサンスクリーンには、その効きめの指標としてSPFとかPAがあります。
SPFとは紫外線B(皮膚炎をおこし赤くなる)から皮膚を守る強さの事で、
簡単にいいますとSPF20というのはサンスクリーンをつけると、
つけない時に比べて同程度に日焼けするのに20倍時間がかかるという意味になり、
素肌で日に当たると30分で日焼けがおきる場合、
SPF20のサンスクリーンを便うと日焼けするまでに600分かかり、10時間有効だといえます。
SPFは最近100以上のものも出てきていますが、30以上あればさほど効果に違いは無いと言われています。
PAとは紫外線A(皮膚を黒くする)から皮膚を守る強さで(+)~(+++)で表示されます。最近ではこの両方の表示をするように指導されてきています。
白い皮膚を保ちたい時は紫外線AとBの両方を防止するものを使いましょう。